ことしの夏休み縦走は南アルプスの仙丈ヶ岳と塩見岳をつなぐ仙塩尾根を4泊5日で歩いてきました。

直前まで夏休みの山歩きの候補を3つ考えていて、月曜日の天気予報だけなら北アルプスが一番よくて
火曜日以降は南アルプスのほうがよさそう。

でも南アルプスは木曜日と金曜日の夕方にミゾレ予報
まだ一回もテン泊してないのに、いきなりミゾレは避けたい!

でもでもあきらかに北アルプスは月曜日しか良くなさそう。。。

そうそう、東北案は直前に立ち消え。
予定してたルートが増水して橋が流されちゃったらしい。
情報を調べると、どうやら渡れないこともないらしいけども股まで水がくるらしい。
巨大ザックでそれはちょっと。。。

そんな消去法的な感じで、出発前日の日曜日になってやっと南アルプスに決定しました。
天気が好転することにかけて!

仙塩尾根で面倒なのが車をどこに置くかということ。

今回は隊長がいろいろ調べた結果、甲府駅のパーキングに停めて
そこから電車&バスで鳥倉の登山口まで。



とにかく移動が長いんだけども、電車旅は久しぶりで楽しい。

ローカル線に揺られてのんびりガタンゴトン。

途中ワタシは爆睡



伊那大島駅について、バスがくるまでのんびり2時間待ち。
バスは一日2本しかなくて我が家からだと12時過ぎに出るのにしか間に合わない。



鳥倉登山口まで行くバスはシーズン限定で今年は8月26日までの運行です。

運賃1620円+荷物料800円。



ちなみに荷物料は重さとか関係ないみたいです。ザックなら一律800円みたい。
テン泊装備の人と小屋泊装備に見える人が半々くらい。

なんだかんだで補助席以外は満員。でも2列シートにデカザックの人は1人ずつ座ってて余裕。
お盆の時期とかは臨時便とか出るんだろうか。

バスの乗車時間も1時間45分とものすごく長いんだけども、途中でトイレ休憩が入るので安心です。

そこからいよいよ山道に入っていって、しばらくすると路駐してる車がチラホラ。
山菜採りの季節でもないと思うし、なんだろう?

と、思ったら!

駐車場が満車なのでした(゜Д゜)
やっぱり百名山の塩見岳は人気あるんですね。

マイカーの駐車場とゲートを通過。
マイカーピストンで塩見岳に登ろうとすると、この駐車場に停めることになるんだけども
その先の林道を炎天下にえんえんと50分歩かないといけない。
ちょうどよくバスが来ればいいんだけど、なんたって本数少ないし歩く覚悟をしたほうがいいでしょう!

ガタゴト揺られて着いた登山口には、帰りのバスを待つ下山してきた登山客がいっぱい。



バスを下りたとたんにものすごい熱気。暑くて汗がふきだしてくる。

バスを待ってた人たちは、みんな達成感いっぱいの満足したいい顔をしてるいいな。
帰るときにワタシもこんな顔をできたらうれしいな。

登山届をだして準備をして出発する。
登山口にはシーズン中のみ仮設トイレあり。ペーパーもあり。臭いナシ!

時間はすでに2時半。こんなに遅くから山に入るのって初めてかも。
普通なら下山してる時間だし。

しかも家は夜中の4時に出てきたというのに!

遠すぎるよ、塩見岳!

登山道に入ったとたんに空気がひんやり冷たい。



一年ぶりのテン泊装備が肩にくいこむ。
ワタシの装備は水とかカメラとか全部入れて22kg。途中の水場でこれに水をさらに1kg追加。
隊長は25kg。水場でさらに3kg追加。。。

ワタシは今まで最高でも18kgだったのでいきなり5kg増量。

じつはワタシはテント泊のウルトラライトとか軽量化ってすごくカッコ悪い!っていう
思い込みというかシーポリがありまして。
もちろんもっと年をとったら仕方ないけど。

ごはんがマズイのだけはイヤだっていう隊長がいるせいもあるけど、今回いままでで
一番重い荷物なのがちょっとうれしかったりしてる。



階段というかなんというか。
丸太を渡したハシゴ?
こういうのがこのルートには繰り返しでてくる。


水場の水は勢いがかなり細いけどちゃんと冷たいのがでてた。
でも正直いって飯豊山の御西の水のほうが10倍くらいウマい。

御西の水がおいしすぎるから仕方ないか。




そうそう、修理にだしてたゲーターが無事に直りまして、申し訳ないことにメーカーさんに
おまけプレゼントまでいただいてしまいました♪



こういう標識ってうれしく思うときと、あんまり多いとうるさく感じるときとある。
わがままなんだけど。



あ、あ、あ、あと200歩!

マジで数えました、アタシ。
でも100歩くらいのとこで小屋が見えてうれしくて、その先数えるの忘れちゃった。

初日のお宿、三伏峠小屋へ。テン泊代700円(トイレ使用料100円込み)。缶ビール500円。

三伏峠は日本一高い峠だそうです。



テン場にはすでに20張りくらい。こんなにいっぱいテントが張ってあるとこって初めて来たのでびっくり。

場所じたいは広いのでそれでもぎゅうぎゅうじゃなくて、お隣とはひとつおきくらいにスペースは空いてるので安心だけど。

一本まえのバスとか下山してきた人たちとかマイカー派とか、みなさんもうすっかり晩ごはんも終わっていて
いい気分な感じのなかで、テント設営&ごはん。

あわただしい感じだけど、家から味噌漬けにしてきた豚肉と野菜を焼いてフリーズドライご飯で晩ごはん。



豚肉には味噌のほかにユズの皮をきざんで混ぜてきたのでさっぱりめでおいしかった。

満天の星空に明日の晴れを期待して就寝。

翌朝(?)2:00起床。
熊の平までの行程が5日間で一番長いので、なるべく早めに出発したい。

1:00くらいからがさごそしてるテントもいたけど。

撤収準備と朝ごはんの準備。
朝というか夜中なので、最近はテントの朝ごはんはフリーズドライのにゅうめんにすることが多い。
つるっと胃に入って食べやすいので。といっても2人で3人前食べてるけど。。。

出発したのは4時30分くらいだったかな。
樹林帯だからヘッドライトもつけたけど、すぐ明るくなった。



いい天気になりそう。



すぐに三伏山についてまたアップダウンを繰り返すと本谷山。





木に囲まれた山頂だけど、突き当たりに展望が開けていて近くの仙丈ヶ岳も甲斐駒ケ岳も
遠く北アルプスもよく見える。



でもここまでですでにザックの重さにへこたれていて、今日は塩見小屋のとこにも水場があるし
せっかくの貴重な水だけど1L捨てていく。

休憩するのにザックを下そうにも肩から外したら支えられなくて、ドスンって落っことす始末。
生卵が割れないといいんだけど。

やっぱり23kgはきつい。

そうそう、じつは昨日のテン場で今日は塩見岳ピストンだけで下山しちゃうからっていうカップルさんに
ビール2本をいただいちゃったんですよ、遠慮なく。

そんな重さも加わって、昨日の晩ごはんで軽くなったはずが逆に重くなったというありさまなわけで。

昨日から一緒の単独テント泊のおじさまとおばさまもそれぞれ到着。
人生のかなりな先輩方だけど淡々とペースを崩さずに歩くのですごく早い!

それなのに、ここで今日の危険信号が!

なんとおじさまもおばさまも、今日は行けたら熊ノ平までだけどたぶん手前でビバークかな~と
あっさり大変な発言をするわけですよ(゜Д゜lll)

ビ、ビ、ビバークですって?

このおじさんたちが無理ならワタシたちがたどり着けるはずなさそうなんですけど?
ちょっとドキドキしながら、でも大丈夫だよね、熊ノ平まで行けるよねみたいな感じで
塩見岳へ向かう。

ここからまた下っていって樹林帯の中。
まだ朝日がでたばっかりだから、空気はひんやり。
でも絶対暑くなりそうな予感。

とにかく黙々と歩く。

荷物が重すぎて隊長と話すゆとりがないし、向こうもあんまり話しかけてこない。

足元にも、もう咲いてないかなって思ってた高山植物わんさかだけど
これも撮る余裕ゼロ。

こんなにすでに必死っぽくてたどりつくんだろうか。。。



小屋からピストンの軽装の方にもどんどん追いつかれて追い越されていく。
やっぱり早めに出て正解だったみたい。

塩見小屋についたときには、結構へろへろで水場まで往復1時間なんだけど行けるんだろうか状態。
(ちなみに我が家にあった2011年の地図には水場往復35分ってあったから場所が変わったんだと思う。)

でもここで水を満タンにしないと熊ノ平まで6時間のコースタイム中に水場はゼロ。

雪投沢源頭にも地図には水場マークはあるけど、小屋のお姉さんによると確認できてないし
水があっても飲めるほどきれいなのが出てるか確証がないと不安な情報。

うー。。。悩んで、小屋のお姉さんに、

「お水も売ってます?」

って聞いてしまいました。。。

で、貴重な貴重な小屋のお姉さんもそんなに飲むの?ってびっくりな5.5Lの
お水を分けていただいて。

トイレもここでお借りしました。

人生初の携帯トイレ!
といってもお持ち帰りはしなくてよくて、ちゃんと捨てて行ける。
専用の袋(200円)を売店で買って使い方を教えてもらいます。

トイレ内は清潔なので、この方法のほうが臭くなくていいかも♪

ここから山頂まではコースタイム1時間の登り。



小屋の脇から登山道へ入るといよいよ正面にどどん!と天狗岩と塩見岳が迫ってきた。

ザレた急斜面や岩をガシガシ登るとこが出てくるので、今までよりもずっと
ザックの重さがこたえるようになる。

ここらへんから我が家の辞書にコースタイムっていう言葉はなかったっけね状態炸裂。。。

いいんです、ゆっくり楽しむんです。勝負しに来たんじゃないし!
コースタイムよりどれだけ早く歩けたかが楽しかったのは昔のアタシ!

後ろから来た小屋ピストンのおじさんグループが、
ザックに手足がはえて歩いてるようなアタシを見てものすごい驚いてた。

女の子がそんなでっかい荷物持って!って。。。イエ、女の子じゃないんですよ。。。もう最近素直にニヤけてられなくなってきたし。。。

とにかくいくつものピークを越えなきゃいけない仙塩尾根。

塩見岳にも簡単にはつけません。

へたれくっきー隊、その2できっとたぶん山頂へ!