黒百合ヒュッテのテン場、夜中の話。

眠れないだけじゃなくて、ちょっと怖かったんです。

うつらうつらしてつだけで眠ってないからちょっとした音で覚醒しちゃうんだけど、そのちょっとした音がね。

なんかクスクス笑ってる女性の声のような。

風の音じゃないんだけど。

ザッと土を踏む音とか。

張り綱をピンっとはじく音とか。

現実的なかんじだと鹿でもいたのかなと思うんだけど。夜行性だし。

でもねぇ。夜中のテン場にひとりっきり。

アレか?まさかアレか?とかいろいろ妄想しちゃうわけですよ。寒いし。

そこらへんのことは信じないタチだけどやっぱりひとりっきりっていうのがねぇ。

シュラフにもぐって読んでたのが「小暮写真館」だったのがまずかったか。

もんもんとしたまま夜明け。

今日の予定を考えると山頂に行くにしろすぐ下山しちゃうにしろ一応5時半には起きたかった。

お?

天気良さそう?



夜中の寒さは朝起きてからよくわかった。

テントから足を踏み出したらザクッと霜をつぶす音。

テン場は一面に霜がおりてた。



アップだとこんな。

えらい霜だらけ。
ちなみに外側だけでなく内側も天井、壁ともまっしろになるほど霜だらけ。

結露だけでなくて真っ白に霜がついたのは初体験!

夜中に顔におちるピチャッていうのはコレだったか。。。

秋の冷気に対抗するにはやっぱり冬用シュラフが必要?(物欲ムクリ♪)

あんまりお腹がすいてなくて、ポットに残ってた紅茶を飲んで昨日買ったランチパックで朝ごはん。
ランチパックも凍りかけてシャリシャリしてる。

お湯を沸かして新しい紅茶をポットに満タンにする。
そうそう。
ゆうべ小屋でもらった水も半分くらい凍ってた。

準備は昨日のうちにしておいたから、着替えてサブザックを持てば出発できる。

どうしようかな。ぐずぐずモタモタ。

も一回外を見てみる。

晴れてるぅ~!

これはやっぱ山頂でしょ!
寒いけど歩けば暑くなりそうでダウンをザックにつっこんでカメラを持って出発♪

歩き出して3分。

中山峠。

あれ?

広角レンズ、テントにわすれたーーーー!(゜Д゜lll)

うぅ。。。

でも景色撮りたいし。青空だし。。。

テント帰ります!(`・ω・´)キリッ

無事にテント戻ってまた中山峠まで戻ってきました。

時間は7時10分。



帰りは予定ではここから下山。
ちょっと下を覗いてみると。

えぇ!結構急な下り?だいじょぶかなぁ。。。

テント撤収の時間次第だけど黒百合ヒュッテを10時には出たい。そうしないとワタシの鈍足だと稲子湯13:56発のバスに間に合わない。
そのときの状況次第で決めよう。

岩がツルンツルンだったらイヤだなぁって思って早朝出発にはできなくて、かといって遅くしすぎすると帰りのバスに間に合わない。

自分の歩くスピードを考えてギリギリの選択。

そう考えて出発したのに(^_^;)))

すぐ足が止まる。



だっていきなりこの景色ですよ。

わぁあ。キレイだぁ。

進む先の東天狗、西天狗もはっきり見える。








反対側が開けると、さらに絶景!

北アまるみえー(о´∀`о)



この前行ったばかりの乗鞍岳が見えたのもうれしい。

すごく現金なもので、こうなると今朝までのマイナス思考はどこかへいってしまう。




カメラを出して何回も足を止める。

でもいつもより歩くペースは速い。

絶景にアドレナリンでまくりだから。

ザックが軽いというのがほんとの理由か?



下のほうの黄葉に朝日が当たって輝いてる。

不安だった岩の凍結は拍子抜けするくらい何もなく、日影の道が凍っているくらい。



それでも確実に冬は近づいている。

雪景色の山もすき。

純白と青空のコントラストが強い季節がくるのも楽しみ♪







何度も足をとめて遠くの山を眺める。




来年の夏はあっちの白い稜線にも行けるかなぁ。



中山峠から天狗岳山頂へ続く道はひたすらまっすぐ登る。

昨日の黒百合ヒュッテまでの道でも思ったけど、雪があるほうが平らで歩きやすい。



槍や穂高にもこの前雪が降ったってニュースでいってたけど、溶けちゃったのかな。

鹿島槍方面はもうしっかり雪がついてるのが見える。







単独のおじさんが下りてきたので脇へ避ける。

「ひとりなの?大丈夫かなぁ。この先の岩陰にカモシカの親子がいるから気をつけるんだよ!」


カモシカ親子?\(゜o゜;)/
気をつけるっていったい。。。

むしろ会いたい!

そこからは大きな岩を巻くたびに振り返ったり見回したり。

でもいません!(T^T)

おじさん。カモシカ逃げちゃいますた。。。



西天狗岳への分岐から。



そんなこんなで8時に東天狗岳山頂に到着。



ここまでくると南ヤツもよく見える。

山頂には黒百合ヒュッテに泊まってた単独の男性と本沢温泉から登ってきたという男性だけ。




いつも風が強い山頂は今朝は穏やかでのんびりできる。



本沢温泉やオーレン小屋から登る人のほうが多くて、稜線を見下ろすと続々と登ってくる人が小さく見える。

この天気ならやっぱり予定通り歩こう。
テンションが上がらなければ西天狗岳ピストンで渋の湯下山と思ってたけど、この景色見てたらあがったわ♪



そうと決まればいつまでもゆっくりしてもいられない。西天狗岳はあきらめて下りねば。

それよりもまだやりたい裏ミッションがあるんだ。

山頂休憩20分。

下りながらまた景色に見とれる。



残ってた赤い実。



まるで等高線のような薄氷。



9時まえに黒百合ヒュッテに戻ってこれた。

これなら10時には余裕で撤収できる。

でもバスの時間が決まってるってなんか焦るなぁ。

ひとりの撤収も雨さえ降らなければもう慣れたもの♪

でもまだ気温が高くないから霜が溶けてない。

そのまんま凍りついてる。

ペグ抜くのが初めて重いと思った。

張り綱をかけた石も接着剤でくっつけたみたいに地面から剥がれない。

ひとつひとつが新しい発見で体験。

一晩お借りしたパネルも返却。

まだ30分以上余裕があったから小屋で手ぬぐいとかバッヂとか物色。

ものすごくかわいいグッズが充実。
やっぱりわっきーも連れてきたかったなぁ。

ちょっとワタシ的好みにはかわいすぎて何も買わずに失礼しました。
(昔ながらの渋いデザインにちょいかわくらいがツボ♪)

小屋も暖炉とかストーブとかオシャレだし今度は絶対みんなと来よう!

山頂で会ったカップルさんも下りてきて、ここでお茶するの憧れだったのー♪とか。

まだつき合う前の微妙な感じがういういでおねーさんは聞き耳ダンボでしたわ。

マフィンのセットとかコケモモティーとか。

シャレオツですなぁ(*´ω`*)

おっさん化してるアタシはコンビニパンとティーバッグの紅茶ですけど。

ちょうど10時。

焦らないで歩いても13時56分発のバスに間に合うはず。
ちなみにこのバスをのがすと次は16時12分。
べつにこれでも帰れるけど、ラッシュに巻き込まれて帰るのはつらい。

さぁ、出発しよう!